河童が託した食えという手紙
どんな伝承か
ある男が夕方に川端の道を急いでいると、雑魚釣りをしている男に呼び止められ、下の淵のほとりにもう一人釣り手がいるから届けてくれと一封の手紙を託された。曲がった先の淵にいた男に渡すと、黙って読んでから淵へ飛び込み、しばらくして出て来て、自分はこの淵に居る河童で、川上の河童からこの男は紫尻でうまいから捕って食えと言ってきたが、お前が正直なので捕らずに宝をやると言い、黄金包みを与えた。誰にも言うなと告げて河童は淵へ入り、男はそれから長者となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。