痩馬の皮で長者を欺いた馬喰
どんな伝承か
貧しい馬喰の八十八は痩馬を一頭しか持たず、隣の長者は立派な馬を四十八頭持っていた。八十八は一日だけ長者の馬を借り、馬市の一番後ろに自分の痩馬をつないで引いて行き、皆に褒められて得意になった。やがて痩馬を殺されると、その皮を剥いで陣太鼓を張る皮だと触れ歩いて高値で売り、長者にも馬を殺させた。母の死骸や間男の入った葛籠まで使って次々に人を欺き、下男どもに川へ投げ込まれかけても抜け出して、ついに長者の娘と夫婦になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。