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泣き止んだ子に落胆した狼

所在地岩手県紫波郡
年代大正・昭和(採集)
登場佐々木喜善
出典佐々木喜善全集 1
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どんな伝承か

或る雨の降る夜、山の狼が腹を空かせて、おう、おうと大声で啼きながら山から下りて来た。ちょうどその時、百姓家の子供が泣き出したので、母親は、そんなに泣けばあの狼にやってしまうぞと言った。狼はその家の壁の外を通りかかってこれを聞き、よい事を聞いた、あの子供を食えると思って喜んだ。ところが家の中の子供の泣き声がぱたりと止み、母親が、こんなによい子を誰が狼などにやるものかと言ったので、狼は落胆して行ってしまったという。著者が紫波郡昔話の資料から採録した短い一話である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))

『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。

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