オつけ言葉と鶯言葉の嫁
どんな伝承か
よその家では言葉に「オ」を付けて話すものだと母親に教わった馬鹿嫁が、招かれた先で大根汁を出されると、オ家の、オ大根はオでんち、オがらか、オあんぢは、オよくて、オござんす、オこと、と言ってのけた。お宅の大根は田地柄か味がよく御座いますこと、という意味である。其の二では、嫁に行ったら鶯言葉すなわち上品な言葉を使うものだと言われた嫁が、婚礼の席で仲人の婦に向かい、セウベン、セウベン、チコチコッと言って便所へ立った。喜善は、この種の馬鹿嫁噺は笑話に属するとして多くを収めなかったと注している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。