九慈家の黒柱の枕返し
どんな伝承か
九戸郡侍浜村の南侍浜に、九慈という土地草分けの旧家がある。所の豪族だということである。この家の旧座敷と新座敷との間に極めて黒い柱があるが、この柱のほうに枕をして寝ると、枕返しに遭ってどうしても眠られないという。この家の古いことは、新座敷といっても二百年も前の建物で、やはり黒く光っているというのでも分かる。遠野町の牧野氏が大正八年七月十八日、土淵の小学校で語った話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。