績桶を撃って正体を現した古狸
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どんな伝承か
鼠入に卯平というマタギがあった。殿様の前でも、世の中のことで知らぬことはない、思うことで出来ぬことはない、ただ天を飛ぶことばかりがまだ出来ないと豪語して笑われたという人物であった。この卯平が友人の川台の小作マタギと二人で松格岳へ鹿撃ちに出かけ、山小屋に泊まっていると、ある夜更けにどこからか若い女が出て来て、炉に燃えている火を盗み、すたすたと山を登って行った。怪しいと話していると、向かいの尾根に火が燃え出し、先ほどの女が座って麻糸を績みながら、たびたび小屋の方を向いてにやりにやり笑っていた。女を狙って撃っても手応えがなく、横の績桶を狙って撃つと火も女も消え、翌朝行くと大きな古狸が死んでいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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岩泉町の伝承
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