三仏堂と左甚五郎の一夜作り
どんな伝承か
取手市寺田に、三仏堂の由来として語られている話がある。三仏堂は左甚五郎の一夜作りだというのである。甚五郎が堂を建てにかかると、削り落とされた木っ端がみな職人の姿になって手伝いはじめ、そのまま一夜のうちに建て上げてしまったと伝えられている。語り手も、子どものころ親からこの話を聞かされたことがあるという。取手の地には、このほかにも寝釈迦を起こそうとした者が相次いで病で死んだという話や、石臼に腰かけて祈ると子が授かるという石臼観音の話など、堂宇にまつわる言い伝えが多く残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市が編んだ市史民俗編のうち、俗信の末尾と「伝説」の節を収めた部分である。市内各地区での聞き取り調査で集めた語りを話し言葉のまま書き起こし、一部は『取手町郷土史資料集』から抜粋して、将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐や化け猫、幽霊、タマセなどの話を収める。将門伝説を別格として先に置き、続いて市内各地の伝説、祟りのある田や山の話を並べる。