上納金を探す東門奴の火の玉
どんな伝承か
蘇原の外山のふもとに東門(とうもん)という集落があり、その南を流れる境川に土橋が架かっている。この橋には赤い火の玉、東門の奴の火の玉が出るといわれ、火の玉橋と呼ばれてきた。少し前までは、子どもが夜に境川へホタル狩りに行こうとすると、東門奴が出るから一人で行くな、銭を持って行くと取られるぞ、と親が戒めたという。昔、古市場の庄屋の使いの若者が東門へ上納金を集めに行き、日暮れに土橋を渡って帰ると、懐の金がなくなっていた。居合わせた役人に盗みを疑われて斬られた若者の魂は、盗んだのではなく落としたのだと言いながら、いまも土橋のあたりを探し回っているという。
原典より
この境川に火の玉橋という土橋がかかっていて、この橋には赤い火の玉が出る、東門の奴の火の玉が出るというので、火の玉橋とよばれているのである。—— 各務原市史 民俗編――地名伝説(各務原市(編)・各務原市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
各務原市史 民俗編――地名伝説(各務原市(編)・各務原市史)
『各務原市史 民俗編――地名伝説』は、各務原市が編んだ市史の民俗編のうち、地名伝説を述べた部分である。小字や俗称の起こりを語る話を、那加・稲羽・鵜沼・蘇原の四地区ごとに集め、浜見塚、与三郎池、甚六屋敷、片葉屋敷、金縄塚、嫁ふり坂、立岩と二つ岩、火の玉橋などを取り上げる。民話の語りを「」で引いたうえで、話の要素や他地方の類話、その土地の今の姿を書き添える。