菅谷勝貞のキキョウから湧いた泉
どんな伝承か
昔、菅谷勝貞という武将が家来を連れて、菅谷へタカ狩りに出かけた。勝貞は小田家に仕え、のちに土浦城主にもなった人物で、武芸に秀でるうえに歌の心得もあった。狩りの最中に一首が浮かび、書き留めようと矢立てを取り出したが、墨壺が乾いていて書けない。ふと足元を見るとキキョウが一輪咲いていたので、折り取ってしごくと水がにじみ出た。勝貞はそれで筆を湿して歌を書き、キキョウを投げ捨てた。すると不思議にも、花の落ちた所から澄んだ水が湧き出した。主従はその水で喉をうるおして狩りを続けた。泉はその後も涸れずに湧き続け、村人はキキョウ泉と呼んでいるという。
原典より
ところが、不思議なことに、キキョウの落ちたところからきれいな水が湧き出ました。—— 土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史)
『土浦市史 民俗編――伝説』は、市史の民俗編のうち第一節「土浦の伝説」と第二節「ことわざ」の冒頭を収める。首洗い井戸、狐の嫁入りや化かされ話、宍塚大池の大蛇、佐野子のカッパの手、弘法大師の石いもと照井、大聖寺の竜の爪、如宝寺の木食上人の入定など、市内の地名・寺社・池にまつわる伝説を、古老の話や市報・ふるさと運動の調査・資料館の調査・『東村誌』から引いて記す。各話に見出しを立て、ことわざは天候・動物などの題目ごとに番号を付けて掲げる。