火の玉・ヒトダマ(共同幻覚)
どんな伝承か
火の玉を見たという人は多く、ひとりで、あるいは何人かで一緒に見たという話は、証人がいるのだから本物に違いないと信じられている。いわゆる共同幻覚である。挾間町時松では、青年たちが酒盛りをしていたところ、大津留の墓から赤い火の玉が飛んだので、皆で落ちた場所を探し回ったが何も見つからなかったという。火の玉は青く輪郭がぼやけ、ゆらゆら揺れながら飛ぶともいわれ、死人の出た家の棟や新しい墓から飛ぶという話が多いが、火葬場や自殺の現場、事故の現場から飛んだと言う人もいる。
原典より
挾間町時松で、青年たちが宴会をしている時、大津留の墓から赤い火の玉が飛んだので、落ちた所を全員で探したが、何も見付からなかったとのことである。—— 大分県史 民俗篇――俗信・妖怪・憑きもの(大分県(編)・大分県史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大分県史 民俗篇――俗信・妖怪・憑きもの(大分県(編)・大分県史)
『大分県史 民俗篇――俗信・妖怪・憑きもの』は、大分県の県史の民俗篇のうち、講の項の末尾と俗信の章を収めたものである。俗信の諸相、兆・占・禁・呪、天狗・鬼・山童・河童・ウブメ・塗り壁・狐狸・火の玉などの妖怪と霊異、犬神やトウベ(蛇神)、死霊風などの憑きものを、国東・日田・臼杵など県内の伝承と既刊の研究をもとに述べる。山の怪・水の怪・路傍の怪などに分けて事例を並べ、節ごとに注を付し、写真の説明文を挟む。