お産を軽くする産の神の石と木の葉
どんな伝承か
大治町では、家に迎える神のひとつに産の神がある。その正体は大字によって少しずつ異なり、七宝町秋竹の藤島神社でいただく木の葉や藤島様の石を産の神とするところが多いが、堀之内では氏神の境内の石をそれとしてきた。いまは藤島様のほうが好まれるものの、古くは氏神の石を祀る家が多かったのではないかとみられている。受けてきた産の神は仏壇の引き出しか神棚に納めておき、いよいよお産となったら、ローソクとともに産婦のかたわらへ置く。そうすればお産が軽くすむと信じられていた。
原典より
何れにしろ、受けてきた産の神は仏檀の引出しか、神棚に祀っておき、出産時にこれを産婦の脇にローソクと共においておくと出産が楽になるという。—— 大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌)
『大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信』は、名古屋に接する尾張の大治町の民俗誌の下巻から、信仰にかかわる節を収めたものである。辻の地蔵や秋葉・津島の小祠、荒神・井戸神などムラとイエの神、天王祭り・虫送り・雨乞いなどの祈願、キツネツキ・タヌキ・天狗の神隠し・火の玉・ナンドババアの怪異を、大字ごとの聞き書きで記す。第五節から第九節までで、予兆・禁忌・まじない・民間療法を挙げる俗信の節と、高度経済成長後の信仰の変化を述べる節で終わる。