カラス鳴きと人魂が告げる死の前兆
どんな伝承か
大治町の俗信は町内一般にいうことのようだが、実際に確認できた大字が明記されている。死の前兆としては、梅干やギョウジャ(らっきょ)にカビが生えると人が死ぬ(八ツ屋、堀之内、三本木)、漬物の中の水がきれて腐り始めると人が死ぬ(西条)、カラス鳴きが悪いと人が死ぬ(八ツ屋、堀之内、西条、三本木)、ヒトダマが出ると人が死ぬ(八ツ屋、北間島、堀之内)、寺の鐘が自然に鳴り出すと人が死ぬ(西条)などがある。ヒトダマが川を越すと三年永生きできるともいう。
原典より
火葬の臭いがムラに臭い込んできたら(北東の風)、近い内に人が死ぬ(三本木)。—— 大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌)
『大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信』は、名古屋に接する尾張の大治町の民俗誌の下巻から、信仰にかかわる節を収めたものである。辻の地蔵や秋葉・津島の小祠、荒神・井戸神などムラとイエの神、天王祭り・虫送り・雨乞いなどの祈願、キツネツキ・タヌキ・天狗の神隠し・火の玉・ナンドババアの怪異を、大字ごとの聞き書きで記す。第五節から第九節までで、予兆・禁忌・まじない・民間療法を挙げる俗信の節と、高度経済成長後の信仰の変化を述べる節で終わる。