羽生の桜と田村麻呂の馬
どんな伝承か
東堂山へ行く道に羽生というところがあり、そこに何百年もたった古い桜がある。昔、大滝根丸の手下が田村麻呂の娘を攫って今の釜山の鬼穴に籠った。田村麻呂はこれを退治し、今の羽生の桜のあるところまで来て馬から下り、桜の木の鞭を土に突き立てて休んだ。ところが今まで元気だった乗馬が急に倒れて死んだ。田村麻呂は愛馬を近くの東堂山に葬り、そこに勧請した観音は馬の守り仏として信仰されている。土に立てた桜の鞭はそのまま生きづいて大きくなり、それが今も花を咲かせるこの桜だと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史・自治体史(民俗))
『小野町史 民俗編』第九章所収の伝説。福島県田村郡小野町に伝わる口承を採録する。