七面さんになった白蛇
どんな伝承か
もとは弁天さんを祀っていた。隣の家の祖父が女衆を置いて蚕などをしており、水を汲む台所の水槽の落ち口に白い蛇が繰り返し現れて、女衆が怖がって困った。祖父がどういうことかと問うと、ホウエンさんに見てもらったものか、その弁天さんは七面さんになりたいのだという。それなら七面さんにしてやるから、もう出て来ないでくれと約束した。隣家の一代二代三代先の祖父の時分のことである。以来この組の者が七面講の講中となり、四月四日に谷村の信行寺のホウエンさんを頼んで参り、経をあげて小さな祝いをする。七面さんの下には穴があってそこにいるといい、白い蛇を見た人もあるらしいが、祀ってからは出て来なくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平栗・加畑の民俗(山梨県都留市宝・民俗調査報告 第11号)(民俗調査報告)
『平栗・加畑の民俗(山梨県都留市宝・民俗調査報告 第11号)』は、山梨県都留市宝の平栗・加畑の民俗調査報告である。口承文芸の章には、話者から聞き取ったかちかち山や姥捨て山などの昔話と、浅間神社の由来、山の神のユミイリとオカンムリヒロイ、天目山の落人、屋号や地名のいわれなどの伝説を収め、概観では加畑一帯で一月十四日の晩に聞こえるという「おのう」を特筆する。話ごとに一覧で分類と話者の名・生年を示し、続けて語り口のまま本文を記す。