櫛箱の小蛇と姫の眠る箸墓
どんな伝承か
三輪山の神婚にかかわる話として、次のようなものがある。夜だけ通ってくる男神の正体を知りたいと思った姫が男神に迫ると、明日の朝、お前の櫛箱の中にいると告げられた。翌朝その箱を開けてみると、中にいたのは小さな蛇であった。男神は大物主命(大国主命)であったが、恥をかかされたと言って御諸山へ去ってしまい、悔やんだ姫は箸で陰部を突いて死んだ。その墓は大市にあって、箸墓と呼ばれているという。
原典より
また、別の話に、姫は夜だけ通う男神の正体を見たいので、男神にせまると、明朝お前の櫛箱に入っているという。—— 広島県史 民俗編――伝説の分布(広島県(編)・広島県史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
広島県史 民俗編――伝説の分布(広島県(編)・広島県史)
『広島県史 民俗編――伝説の分布』は、広島県が編んだ県史民俗編のうち、「休養と娯楽」の部に置かれた「伝説の分布」の章である。八幡信仰にかかわる聖蹟伝説や炭焼長者、厳島をめぐる石神やうつぼ船の伝説、和泉式部・虎御前・菖蒲前を語り歩いた巫女の伝説、人柱や竜蛇の伝説などを、『芸藩通志』『福山志料』などを引いて論じる。「八幡信仰の流れ」「厳島伝説の周辺」「巫女と伝説」「県北の伝説」の四節からなり、伝説の名を見出しに立てて所在地とともに述べる。