弘法機
どんな伝承か
娘が機を織っていると、お大師さん(へんど)が来て、良いものを織っているな、少しくれないかと言った。娘は快く切って差し上げた。翌日もまた来て乞われ、同じように差し上げた。娘はちょうど七色の機を掛けており、毎日一色ずつ切って一週間与えた。するとお大師さんは、何でも願いを叶えてやろう、何がよいかと言った。娘が即身成仏がしたいと答えると、それならと、その通りにしてやったという。だから何でも施しはするものだと伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。