老婆に断られやにがついた宮浦の桃
どんな伝承か
弘法大師が島をめぐっていたとき、桃をもいでいる老婆に出会い、その桃を分けてほしいと所望した。ところが老婆は、これはやにももで食べられないと言って断った。それ以来、この地の桃の実にはやにがついて食べられなくなったという。直島町直島宮浦に伝わる樹木の伝説で、大師の求めを拒んだために実が食べられなくなるという、屋島の食わずの梨や小豆島の虫が入る豆と同じ型の一条である。
原典より
弘法大師が島をめぐっていたとき、桃をもいでいた老婆に所望すると、やにももで食べられないと言った。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。