竿の引き合いで貸さなくなった膳かし藪
どんな伝承か
庵治の北村に膳かし藪と呼ばれる藪がある。明日は法事だから膳と椀を貸してほしいと三度頼んで帰ると、翌朝には貸してくれた。銭を貸してくれと頼めば銭まで出してくれたという。ところがある時、若者が竿を藪に突っ込むと竿が動かなくなり、藪の中と外とで引っ張り合いになった。腕の三太という力持ちが引き勝ってからは、膳も銭も貸してくれなくなったと伝えられる。
原典より
「あした法事やけん、膳と椀貸してください。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。