夢告げで祀ったマゴジャクシの疱瘡神
どんな伝承か
大野原町井関に、疱瘡の神を祀る祠がある。昔この地の佐伯太郎左衛門には男の子が七人おり、疱瘡にかかりはしないかと日ごろ心を痛めていた。ある夜の夢に神があらわれ、自分は越前の国南条郡陽尾の峠に出たマゴジャクシの神、まことの名を鷺大明神という、この地に祀れば疱瘡の災いを免れるだろうと告げた。太郎左衛門が夢のとおりに祀ったところ、七人の子は一人も疱瘡にかからなかったと伝わる。
原典より
むかし井関の佐伯太郎左衛門に七人の男の子があったが、ほうそうにかかると大変だと心を痛めていた。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。