藁の山を燃やして流す大島のこづみ流し
どんな伝承か
筑前大島では、盆の二十日に無縁仏のために寺で精霊船を造り、海へ流した。このほか盆にはこづみ流しという行事があった。部落が三組に分かれ、各組ごとに三畳の部屋いっぱいほどにも積み重ね、それを燃やして海へ流したという。こづみとは、そうして積み上げたものを指す語である。海はもろもろの神霊を流しやる場と考えられており、流された神霊は海を渡って、どこともしれぬはるかかなたへ行き着くのだとされた。
原典より
部落が三組に分かれて各組ごとに薬を三畳の部屋いっぱいぐらいに積み重ね、それを燃やして海へ流した。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。