夜半の神降臨とかがり火の会食
どんな伝承か
福井県坂井郡北潟村では、二百六十戸が五組に分かれ、祭りの当番に当たった組が清水の湧く井戸で井戸替えをし、その新しい水で粳米を洗って蒸した。それを重箱に詰めて神前に供え、氏子一同がかがり火を焚いて社前に控えていると、夜半一時ごろ、拍子木を鳴らす者に導かれて神主が参り、社前で祈禱をする。それが終わると村民はめいめいの組のかがり火の周りに車座になって会食し、暁に至ったという。
原典より
それを重箱に詰めて神前に供え、氏子一同かがり火を焚いて社前に侍していると、夜半一時ごろ、柏子木を鳴らす者に導かれて神主が参って社前で祈禱をする。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。