墓地の樹に吊るされる骨の菰
どんな伝承か
近所に住むT君から、その故郷である山形県北村山郡大久保村の話を聞いたことがあった。今から三十年も前、T君がまだ子供の時分、祖父が亡くなった時、火葬した骨を菰に包んで両端を縄で縛り、墓地の樹に縛りつけておいたというのである。いつまでそうしておいたかは覚えていないが、たしかにそういうことをしたという。特異な習俗なので確かめてみようと村山地方を歩いてみると、焼いた骨を菰や俵に納めて墓地や焼き場の樹に掛けておく風が、村山平野の周辺の諸所にあったことが分かってきた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。