天津の男女別半檀家と檀家名寄帳
どんな伝承か
男女で檀那寺を分ける半檀家と、男女で墓を分ける墓制とがそろって行われた土地は多くない。房州の天津小湊町天津地区は、その数少ない例の一つで、制度の名残が寺の記録と土地の言い伝えの双方に残っていた。天津は八つの町内に分かれ、海沿いの大通りに沿う丘陵へ、間をおいていくつもの寺が並ぶ。そのうちの真宗善覚寺には『檀家名寄帳』が伝わり、文化十四年八月の調べと記されている。帳面は檀家を町内ごとに書き連ね、一部の家にだけ丸印を添えて、男はこの寺、女はあの寺と別々の寺号を書き入れていた。住職の佐々木高正は天津小学校の教員でもあった。
原典より
墓制研究会シンポジウム 両墓制研究の反省と展望 共著 伝承と歴史四 9月昭和四十四年(一九六九)多々良沼追込漁の伝統について 西郊民俗四八 2月書評——北見俊夫著『旅と交通の民俗』『市と行商の民俗』 民俗学評論六 5月農…—— 霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。