善覚寺の名寄帳が記す三十九戸の半檀家
どんな伝承か
千葉県安房郡天津小湊町天津にある善覚寺の檀家名寄帳を調べると、天津地区だけで総勢百八十八戸の檀家のうち、男女で菩提寺を分ける「半檀家」がおよそ二割強にあたる三十九戸あったことがわかる。そのうち善覚寺を男寺とする家が二十七、女寺とする家が十一、不明が一戸であった。文化十四年(一八一七)の記録に基づく、江戸期の男女別半檀家制の実態を示す貴重な統計である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。