因幡池の泥鰌施餓鬼と竜灯
どんな伝承か
埼玉県杉戸町下高野の真言宗永福寺では、八月二十三日を中心に大施餓鬼が営まれ、宗派を問わず新仏のある人々が関東各地から集まる。本堂、位牌堂、忠魂碑の前、裏手の因幡池の畔で供養があり、池に水を張って参詣者が泥鰌を放つので泥鰌施餓鬼とも、翌日の未明に僧が小さな団子を投げるので団子施餓鬼ともいう。縁起によれば、寺を盛んにした日尊の父は非道な領主で、落馬して死ぬと古利根川があふれて遺骸が行方知れずになり、その跡の水溜りが因幡池になった。日尊が父の苦しみを救おうと池で施餓鬼を行うと竜灯が現れ、これが大施餓鬼と山号竜灯山の起こりという。
原典より
町田市の民俗展望 開館記念講演集 町田郷土資料館 12月西伊豆賀茂の若衆組について 西郊民俗七五 6月信州志久見の同族組織 西郊民俗七六 9月魚伏籠と魚伏網 西郊民俗七七 12月 →生業の民俗 昭58昭和五十二年(一九七…—— 霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。