八幡の鳩を射た祟りと北条の灯籠祭
どんな伝承か
北条十日市の山の上にある八幡神社と、その下の石井神社は上八幡、下八幡と呼ばれ、九月十四日の夜から十五日朝にかけて行う秋祭りは灯籠祭りと称して村全体で賑わった。昔は放生会の神事が八月六日から十日間行われ、それが十日市の地名の由来ともいうが、延宝八年に領主の命で廃され灯籠揃えの神事だけが残った。灯籠祭りの由来として、昔、重立の村山家の人が一羽の鳩を射止めたところ、鳩は八幡様の御使いであったため不幸が続き悪疫が流行し、八幡神社に灯籠を献納して五穀豊穣を祈ったという話が伝わる。今も若い衆が運ぶ立額という灯籠には二羽の鳩が描かれ、厄年の者の立額は行列の途中で粉々に叩き壊すほど厄が落ちるとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。