愛宕様の馬
どんな伝承か
狐塚の愛宕様は百日咳の守り神とされ、境内の大イチョウの枝に乳房の形のものがあって、参れば乳がよく出るようになると女性の参拝が多かった。昔、伝染病除けの神とされた八坂神社の獅子が出歩いて愛宕様の近くを通ると、愛宕様の馬が無断で領地を通るなと怒り、取っ組み合いの喧嘩になった。馬は耳を食いちぎられ、獅子は鼻を取られた。平方の八坂神社の獅子が塗り直してもすぐはげるのは馬の耳を食べたためで、馬は今も耳がないという。また堂内の木像の白馬二頭は関東大震災で棚から落ちて脚が壊れ、以後夜ごと庭で蹄の音やいななきが聞こえた。堂守りが村人と相談して直すと、音はやんだという。
原典より
その後、堂守りが夜眠っていると、庭にひずめの音や、なき声が聞こえて来るようになりました。—— 桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。