地震に家の骨組みへ呼びかける呪文
どんな伝承か
桶川ではマジナイと呼ぶ呪術が細かく伝わってきた。してはいけないことを守って幸いを招くのが禁忌であるのに対し、マジナイは進んで災いを追い払おうとするものだとされる。加納では地震が起きたとき、寝るよ根太、頼むよ垂木、梁、柱、と家の骨組みに呼びかけ、何事ぞある時は起こしてたまわれ、と続けて、アブラオンケンスワカを二度唱えた。桶川の方ではマンゼロク、マンゼロクと繰り返す言い方が知られている。ものもらいにはツゲの櫛を畳にこすって熱くしたものを当てるなど、道具を使って効き目を強める例もあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。