爪の間から出る白い疳の虫
どんな伝承か
桶川では、子どもが疳の虫を起こしたときの手当てが語り伝えられてきた。まず手をよく拭き清め、てのひらに虫という一字を書く。そのうえで呪文を三度唱え、締めくくりにナムハルのオニと言い添えるのだという。こうしてマジナイを施すと、爪の間から細く白い虫が這い出してくると信じられていた。作物の虫封じにも似た唱えごとがあり、節分に大豆の殻で豆をかき混ぜながら、稲の虫クチャキ、麦の虫クチャキ、芋の虫クチャキと唱え、ときおり殻に唾を吐きかけたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。