白根の雷神と千刈田の水
どんな伝承か
白根の大久保には、雷神の御神水の話が伝わる。子どもか若者の姿であらわれた雷神が、青木葉を千段燃やす煙に乗って昇天するとき、湯か水をやろうと言うと、湯では米がとれないから千刈田の水が欲しいと頼んだとも、湯より水は毎日使うから水がよいと頼んだとも伝える。そのとき雷神は日照りの田畑に大雨を恵み、雷神を助けた大久保の五つの井戸は水の涸れない豊かな井戸になった。大久保の雷神の御神水は万病に効くとされ、遠く相馬からも一升びんをかついで汲みに来る井戸であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
梁川町史12(民俗編2 口伝え)――伝説(遠藤庄治・梁川町史)
『梁川町史12(民俗編2 口伝え)――伝説』は、梁川町史の口伝え篇に収められた、遠藤庄治による梁川の伝説の解説である。信達平野と阿武隈川を背景に、だいとく坊の巨人伝説、雷神や龍蛇神の話、川から現れる地蔵や観音、弘法伝説、うなぎや大入道の妖怪譚などを、町内の伝説を地区名と番号で引きながら論じる。「聖なる水の伝説」「伝説の描く梁川」「伝説と昔話と生活」の三節からなり、終節で昔話との違いと口伝え篇の編み方を述べる。