歯痛に箸を供えるかたがり地蔵
どんな伝承か
白山のかたがり地蔵は、土橋の横の山手に立つ、屋根のない路傍の仏だった。なぜか歯の痛む人が自分の箸を供えると治ると信じられ、地蔵の前には箸がたくさん供えられていた。旅をする人や足を痛めた人は、道端の小石を拾って地蔵の膝に載せて参ると治るといわれた。また白山に登った人は、土産に持ち帰った這松の枝を地蔵に供え、無事に登拝できたお礼参りをしてから、家の仏壇や親類にも記念に配った。いまは神社の境内で国立公園でもあるため、這松の持ち帰りは禁じられている。
原典より
白山のかたがり地蔵は、土橋の横、山手に路傍の露座仏であったから、何故か歯の痛い人は、自身の箸を供えるとその病気が治ると信じられて、箸が多く供えられていた。—— 河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。