草鞋についてきて育ったおはくそさま
どんな伝承か
小竹の四社大神の裏手に、おはくそさまと呼ばれる石神がある。御神体は縄文時代中期の石棒だというが、ここに祀られたいわれはこうである。昔、名主が伊勢参りの帰り道、草鞋に小石が挟まって歩きにくいので捨てたが、少し行くとまた同じ石が挟まってついてくる。何度捨ててもついてくるので、宿に泊まっても気になって眠れず、伊勢の帰りだから神の石に違いないと考えて持ち帰った。村人とも相談して神棚に祀ると、石は見る見る育ち、やがて屋外の社に移され、のちに村の鎮守四社大神の境内へ移された。歯の痛みを治してくれる石の神様だという。
原典より
しばらくたって神棚をあけてみると、何とあの小さな石が、小石とは言えないほどに育っていたのである。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。