米戸には草鞋にくっついてきた石を祀った道陸神がある
どんな伝承か
米戸には、ある人が他所へ参詣した帰り途、取っても取ってもワラジについてくる石を持ち帰って祀ったという道陸神がある。太田の権現さまの御神体は熊野石だという。昔、この村の百姓宮間某が紀州熊野に参詣した帰り途、桃の種に似た青い小石がワラジの間にはさまり、取っても取ってもくっついてくる。面倒だと思って袋に入れ腰にぶら下げていると、途中で日一日と成長し、形も実に奇抜になった。あまりの珍しさに家へ持ち帰り、熊野さまが一緒についてみえたのだろうと庭に祀ったところ、石はますます育って長さ三尺、周囲一尺四寸ほどになった。今も子のない人が参れば子が授かると信じられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。