吉野との村堺争い
どんな伝承か
吉岡と吉野は村境をめぐって長く争っていたが、いつのことかは知られていない。決着がつかないので、夜明けと同時に双方の村じゅうの者が出発し、出会った所を境にしようと決めた。ところが当日、日頃から朝の遅い吉岡の者は起き出すのが遅れ、そうしているうちに早起きの吉野の者が吉岡の村端まで来ていた。驚いた吉岡の者は下から山手の道へ走り出て、境を細越にしようと言ったが吉野の者は承知せず、今の場所に境が決まったという。子供に早起きを説く教訓の話として語られてきたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。