猟師の十二の玉と猫
どんな伝承か
昔ある所に猟師がいた。家でいつものように十二個の鉄砲玉を作っていると、飼い猫がじっとそれを見つめており、作り終わると外へ出て行った。不思議に思った猟師はその日に限り十三個めの玉を作り、山へ猟に行った。すると得体の知れぬ魔物が現れ、撃つ玉はことごとくはね返されて、十二発を撃ち尽くした時には逃げ場のない所まで追いつめられていた。残しておいた十三発めを込めて撃つと、玉は跳ね返されずに見事に当たり、魔物は倒れた。近づいて見ると、そこには雄の三毛猫の飼い猫が死んでいた。以来猟師はかくし玉を持つようになったという。
原典より
猟師がおそるおそる近づいてみると、そこには飼い猫が鉄砲玉を体に受けて死んでいた。—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。