食わず女房(ガマだす嫁)
どんな伝承か
ある所の婆さんが、飯を食べずによく働く嫁を捜していると、器量の良い見知らぬ女が現れ、飯を食わでガマだしますから嫁ごにしてくれと言う。女は本当に飯を食わず昼夜よく働いたが、米蔵の米が減るので見張ると、俵をさし上げて搗いてない米を口へ流し込んでいた。恐ろしくなった婆さんは息子と相談して離縁し、息子が里まで送る途中、酒に酔って寝てしまった嫁を置いて走って逃げ帰った。嫁は魔物で、正体を知られたと悟って追いかけて来たが、息子は菖蒲と笹とフツの茂る池に飛び込んで難を逃れた。男節供に菖蒲やフツを軒に挿し、笹でチマキを作るのはこれによるという。
原典より
するとやがて嫁ごが現われ、蔵に入って搗いてない米を俵をさし上げて口の中に流し込んで食べている—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。