ガワッパ(河童)の尻取
どんな伝承か
昔ある所の殿様の奥方が、毎夜便所に行くたびにその尻をなぜる物があった。ガワッパの尻取といい、尻をなぜるのはガワッパの仕業であった。奥方は大層気丈な人で、ある晩短刀を持って便所に入り、いつものように尻をなぜようとするガワッパの手を握って腕を斬り落としてしまった。ガワッパは逃げて行ったが、その日から毎日腕を返してくれと頼みに来た。三日めの晩には、今夜返してもらえねば腕がつながらなくなると泣き、斬られて三日のうちなら必ずなおるガワッパの膏薬を差し上げるからと頼み込んだ。奥方は悪い事をせぬと約束させて腕を返してやったという。
原典より
そこである晩短刀を持って便所に入り、いつもの様に尻をなぜようとするガワッパの手を握って腕を斬り落してしまった。—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。