片目を残した蛇女房と大津波
どんな伝承か
若い男のもとへ毎夜通う若い女がいたが、その正体は蛇の化身であった。正体を知られた女は乳の代わりにと自分の片目を残して去る。男はその目玉で子を育てたが、島原の殿様が珍しがって奪い取る。女はもう片方の目も置いていくが、それも奪われた。怒った蛇は地震を起こして山を崩し、殿様を屋敷ごと押し流した。この地震と山崩れで大津波が河内へ押し寄せ、弁天が白い馬に乗って津波の到来を報せてまわったという。人々は逃げたが波にのまれた者も多く、津波は歳の神まで達したと伝わる。
原典より
その際、河内では弁天様が白い馬に乗って津波が来ることを報せてまわられたという。—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。