菖蒲と蓬に隠れて敵を逃れる
どんな伝承か
互いを敵と思う男同士が一本道で出会いそうになった。一方は馬に乗り大勢の供を連れ、他方はひとりで武器も持たない。逃げも隠れもできず困った丸腰の男は、周囲に生えた菖蒲と蓬に『生い茂って私を隠してくれ』と一心に念じた。すると菖蒲と蓬が大いに茂り、男はその中に隠れて敵の一行をやり過ごすことができた。以来、男節供の日にはこの時の礼として、軒に菖蒲と蓬を飾るのだという。
原典より
男は周囲に生えていた菖蒲とフツ(ヨモギ)に「生い繁って私を隠してくれ」と一心に念じた—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。