虫の知らせと婚礼・出立の凶兆
どんな伝承か
出かける前に口論をしたり、旅立ちの折に争ったりすると、けがや災難に遭うといって嫌われた。婚礼の席で花嫁の足駄の歯が抜けたり、嫁入りのときにかんざしや道具が壊れたりすれば、その縁組は長くもたないという。渡しに乗って嫁いできた人は親の死に目に会えないともいわれた。身内や知人に災難が起きると、離れていても胸騒ぎがする虫の知らせがあると伝わる。朝の火事は縁起がよいが夕方の火事は身代をつぶす、鏡が割れるのやとびが五羽で家の上を舞うのは凶、目に白い筋が横に入ると水難に遭うとされた。首のほくろや爪の白い斑は着物が手に入るしるしで、耳がほてるのもよい知らせだという。
原典より
嫁入時、嫁のかんざしや諸道具がこわれると縁組は長く続かぬ—— 海津町史 民俗編――俗信・禁忌・妖怪(海津町(編)・海津町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
海津町史 民俗編――俗信・禁忌・妖怪(海津町(編)・海津町史)
『海津町史 民俗編――俗信・禁忌・妖怪』は、海津町が編んだ町史の民俗編のうち、俗信を記した部分である。高須・吉里・大江・東江・西江などに伝わる言い伝えを一行ずつ箇条に並べ、伝わる地区名を括弧で添える。葬式や神、女性、動植物、食、方角にかかわる忌まれる行為に始まり、数の忌、日・月・年の忌、忌まれる言葉、前兆予知、呪術、民間療法、卜占、たたりと続き、終わりに幽霊・光り物と妖怪の項を置く。