万平のお釈迦様
どんな伝承か
栃木県真岡市に関口万平という人がいた。どこへ行くにも大きなふろしき包みを背負い、それを背負っていない姿を見た者がいないほどだった。関口家はお釈迦様を深く信仰しており、なかでも万平の信仰心は特に篤かったため、人々は「あのふろしき包みの中身はお釈迦様に違いない」と噂しあっていた。ある朝、万平は海潮寺からほど近い団子屋の店先の路上で倒れて死んでいるのが見つかり、男衆はふろしき包みを背負ったまま関口家の墓地がある海潮寺に運んで葬った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史)
『真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話』は、栃木県真岡市の市史民俗編から、第十四章「口頭伝承」の第一節「伝説・昔話」を収めたものである。大だら法師の足跡、釜淵の燈籠、大前堰の人柱、へび娘など、五行川・鬼怒川・小貝川の淵や沼、社寺にまつわる伝説と、タヌキやキツネに化かされた話を、既刊の民話集・伝説集と新たな採話から集める。冒頭に口頭伝承の参考文献を掲げ、各話の末尾に典拠を記し、結びの「まとめ」で話を河川・社寺・沼・動物の別に整理する。