小松山土手の狐火と新坂の狸
どんな伝承か
稲荷新田に伝わる、狐と狸の灯にまつわる話。入地駅の北側に小松山土手という所があり、そこにはよく狐の提灯がともって、百メートルほどにわたり火がぱたぱたと連なったという。また、愛国学園の新坂を話者の家の爺さんが歩いていたとき、松の木に大きな提灯がぶら下がり、見ているうちに目がくらんで、手にした提灯を消されてしまった。狸のしわざだと察した爺さんが座り込んでたばこに火をつけ、前を蹴とばすと、木の上の提灯はふっと消えた。狸は逆さになって化かすので前を蹴るとよいと昔から言われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書の第一集のうち、口承文芸の章である。馴柴・八原の両地区で聞き書きした話を収め、子育て幽霊や茗荷女房などの昔話と笑話に「大成」の話型名を添え、馴馬のジンシチの怪力譚、天狗、狐の提灯、蛇沼の主、デーデー坊の巨人伝説などを記す。地区ごとに昔話と伝説・世間話に分け、伝説・世間話は馴馬・若柴・八代・貝原塚など舞台の土地ごとにまとめ、伝える地名を添える。