墓場の穴で赤子を育てた幽霊
どんな伝承か
筑波下のあたりで、身ごもっていた女が泥棒に殺された。それからというもの、日が暮れて薄暗くなるころになると、毎日決まって菓子を買いに来る女が現れた。気味悪く思った者がそっとあとをつけていくと、女は小さな穴のところで見えなくなった。そこは墓場で、穴を掘ってみると、殺された女のなきがらのかたわらで赤ん坊が泣いていた。女は幽霊になってわが子を育てていたのだという。『日本昔話大成』の「子育て幽霊」にあたる昔話で、大羽谷津で語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書の第一集のうち、口承文芸の章である。馴柴・八原の両地区で聞き書きした話を収め、子育て幽霊や茗荷女房などの昔話と笑話に「大成」の話型名を添え、馴馬のジンシチの怪力譚、天狗、狐の提灯、蛇沼の主、デーデー坊の巨人伝説などを記す。地区ごとに昔話と伝説・世間話に分け、伝説・世間話は馴馬・若柴・八代・貝原塚など舞台の土地ごとにまとめ、伝える地名を添える。