刀傷の古道具と恩返しの茶釜
どんな伝承か
昔、何かの化け物が出て、刀で切ると消えてしまい、あとに血が流れていた。その血の跡をついて行くと、古い道具を埋めた所だった。掘ってみると、その道具に刀傷があった。道具が化けたのだという。また、橋の下で狐か獺が魚を捕っていて、手を突っ込んだまま氷が張り、手が固まって取れずにもがいていた。そこへ古道具屋が通りかかって助けてやったので、その獣が茶釜に化けていろいろな芸をして恩返しをした。古道具屋はその化けた茶釜を坊さんに高く売って儲け、坊さんはそれを大事にした。茂林寺とかいう寺に、今でもその茶釜はあるといわれている。
原典より
昔、なにか化け物がでて、刀で切ると消えてしまい血が流れていた。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書1(馴柴・八原地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書の第一集のうち、口承文芸の章である。馴柴・八原の両地区で聞き書きした話を収め、子育て幽霊や茗荷女房などの昔話と笑話に「大成」の話型名を添え、馴馬のジンシチの怪力譚、天狗、狐の提灯、蛇沼の主、デーデー坊の巨人伝説などを記す。地区ごとに昔話と伝説・世間話に分け、伝説・世間話は馴馬・若柴・八代・貝原塚など舞台の土地ごとにまとめ、伝える地名を添える。