八幡様の化身の女と五人の童女
どんな伝承か
砂波の男性が八幡様で体験した二度目の不思議。拝殿の前の手洗いのあたりを掃除していると、鳥居の方から四十歳ほどの体格のよい女が来て、ミタライ池のそばで何も言わずに掃除を見ていた。男性がいつものように不思議な体験を話し始めると、四つ五つの女の子が五人、手洗いに置いた草箒を持って行き、十四、五間先でひとかたまりにしゃがみ、顔も上げず低い声で話していた。箒を取り上げて戻り、八幡様のおかげをありがたく思うと話すと、女は先の老人と同じくいいことを聞いたとだけ言った。話が終わって目をそらした隙に女はいなくなっており、まだ昼前のことで、神様と思うしかないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。