三段に分けた神の実在論
どんな伝承か
神霊は実在するかを論じるには、まず神の観念を三つに分けねばならないと講演者は説く。第一義の神は宇宙最奥の普遍的実在で、易の太極、日本でいう天之御中主神にあたり、有無や善悪を超えた絶対の存在である。第二義の神は宇宙の内面を経綸する組織された神霊界、すなわち八百万の神々で、西洋では天使と呼ばれる。近代の心霊研究はその存在を断固として肯定し、欧米で受け取られた数多の霊界通信も例外なく中間者の存在を説くという。第三義の神は隠身の意で、善悪も人霊も動物霊も目に見えぬものはみな神と呼ぶ習わしを指す。三つを取り違えると迷信が跋扈する、と講演者は警告した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊縦横談(浅野和三郎・心霊縦横談 第一輯)
『心霊縦横談』は、浅野和三郎が心霊研究の立場から書いた論説と講演を集めた論集である。大正十五年二月の日付をもつ論説や、昭和三年の大連、昭和五年の大阪での講演記録を収め、科学と心霊現象、宗教と科学、予言の事実と理論、信仰の自由などを論じ、類似宗教の流行や禅僧の言説、ラジオの「朝の修養」の題材選びへの批判にも及ぶ。長めの論説・講演に短い時評を続けて並べ、一部の篇の末尾に日付と講演の場所を記す。