違う方角から出た貉のお月様
どんな伝承か
茨城県龍ケ崎の宮和田新田では、貉が化かす時に自らお月様に化けるといわれた。平野のじっさまが宮和田新田から田圃へ来る途中、空を見るといつもと違う方角からお月様が出ていたので、貉が化かそうとしているのだと思ったという。杉の木のてっぺんに出るお月様も貉の仕業だと語られており、龍ケ崎地方に広く伝わる貉の化かし話の一つである。
原典より
平野のじっさま、宮和田新田から田圃に来るのに空見ると、違う方からお月様出たとよ。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。