見ると目が潰れる星野家の薬師さま
どんな伝承か
岩宿の星野種一郎家には、木造のお宮にまつられた薬師さまがある。お宮は種一郎さんが子どものころに建てかえたものだという。この薬師さまは目の神様だが、その姿を見ると目が潰れるといわれ、白い布にくるまれて人に見せることはなかった。星野家は江戸時代から明治にかけて三代続いた医者の家で、最後の医者は種一郎さんの曽祖父にあたり、薬箱や薬研などの遺品が残る。明治のころには、目を病む人が目を描いた絵馬を携えて参り、薬師さまの前に納めて目薬を買って帰った。治ると旗を奉納したので、薬師さまの前は絵馬と旗であふれていたという。星野家では繭が取れると五つずつ糸でつなぎ、薬師さまに下げたともいう。
原典より
薬師さまは目の神様で、見ると目が潰れるといわれ、白い衣で包まれており、見せてもらえなかったという。—— 笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇(笠懸村誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇(笠懸村誌)
『笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇』は、笠懸村の村誌の別巻にあたる資料編のうち、民俗篇の一部である。竹沢・鹿の川・北山・山際・岩宿などの集落に伝わる民間信仰を収め、産泰様や大間々の道了様への参詣、オサキ使い、ものもらいや百日咳のまじない、地震・雷・雹のときの唱え言、赤城山の雲を見る天気占いなどを記す。俗信・まじない、天候や動物に関する俗信、仏教民俗、忌詞の項からなり、各条の末に伝える集落名を添える。