脛から生まれた小さ子の嫁取り
どんな伝承か
子の無い百姓夫婦が薬師に願をかけ、参籠した満願の夜、脛に孕む子を授けるとの夢のお告げを受けた。やがて妻の脛が太くなり、小指ほどの小さな男の子が生まれ、すねこたんばこと名付けて育てたが、十五、六になっても大きくならない。或るとき、長者の家へ妹娘を嫁に貰いに行くと言って米を一袋貰い、玄関で頼むと下駄の下から出て来た。泊めてもらい妹娘の夜着の袖に入って寝たが、袋の米を噛んでは娘の口に塗り付け、夜中に米を食われたと泣いた。娘は疑いを晴らせぬまま、すねこたんばこに与えられて連れて行かれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。