小豆を真二つに斬った名刀
どんな伝承か
上杉謙信の愛用した名刀に備前の高瀬長光の太刀があった。刀のことで恥をかかされた殿の話を耳にした長光は、献上のために三年かけて刀を打った。出来上がったのが十二月の冬至だったので、殿の好きな小豆南瓜を進ぜようと、ハケゴに小豆を入れ、打ち上がったばかりの刀を腰にして城へ出かけた。ハケゴの破れから小豆が一粒ずつ落ち、それが刀の鞘に当たると真二つに切れた。折しも外出から戻る殿が、道々小豆が二つに切れて落ちているのを見た。城門では長光が門番と押問答をしており、落ちた小豆がやはり鞘に当たって割れる。殿は驚いて長光を賞め、「小豆長光」の苗字を許したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。